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2015年8月7日金曜日

羽生善治名人

将棋を知らない人もこの人の名前はご存じでしょう。彼のことを少し紹介します。
彼は間もなく45歳、ほぼ私と近い年齢ですが、中学3年生で奨励会(プロ養成機関)を突破しプロ棋士になり、そのわずか4年後の19歳で、名人位と並ぶビッグタイトル、竜王位を獲得する。その後今に至るまで、30年間タイトルを保持し続けている。特に1996年には、史上初となる棋界全7タイトルを手にするという怪物ぶり。
そして、現在も名人位を含む4つのタイトルを堅持している。
将棋というゲームは、記憶力、柔軟性、発想力、計算力(回転力)等、脳の能力が求められ、また、深夜に及ぶ対局もあり、2日間の対局もあり、精神力とともに体力も求められる、大変ハードな競技。年齢的なピークは30歳代半ばくらい(私見)、スポーツ選手と同じですね。
10代、20代の若手は常に新しい発想と柔軟な頭脳、有り余る体力で臨んでくるため、 また近年の将棋は研究が進み、序盤の少しの差がそのまま勝敗につながることが多く、日々進化する膨大な情報を記憶することが求められ、若手棋士に有利な環境となっている。従って年齢を重ねるにつれて勝率が下がってくることが通例であるが、彼の生涯勝率は7割2分1厘(これはほとんど勝っているということ、10回に2回しか負けない)。40代半ばの現在も過密なスケジュールの中、高勝率を上げ続けている。まさに将棋界の奇跡という存在。
そんな彼の文献の中、特に40歳を越えてからの理論に興味を引くものがありましたので紹介します。「年齢的な頭脳の衰えは、経験でカバーできるということ。わかり易くいうと、「大局観」(これは、戦略といえますか)を養うことで、手の選択肢を絞る(捨てる手を経験的に判断する)ことができ、勝つための最善手(戦術といえますか)を選ぶ可能性を高められるということ。」つまり、経験を栄養としてさらに進化しているということ。どこまで強くなるのでしょうか。
経験とは貴重なものであり、年齢とともに積み重なっていくもの。それを求められる状況に応じて、最適な形で取り出し、戦略を立て、戦術(施策)を実行すること。
これは、実社会において、リーダーと呼ばれる立場にいる人たちにまさに求められる働き方であり、局面局面で最善手を選ぶことでチームを正しい方向に導いていくことができるのだと思う。私もこうありたいと思いますが、実行は難しいですね。個々のチームにおいて、リーダーの経験値とメンバーである若手社員の柔軟な発想と勢いが一つになったとき、その集合体である企業は理想的な戦う集団になるのでしょう。
若手社員(これから当社で働こうという方々も)はどんどん、成功体験、失敗体験を経験して、引出しを増やし、勝利へ導けるリーダーを目指しましょう。そのチャレンジを応援する社風が当社にはあります。
今週の日曜日NHK将棋トーナメントに、羽生4冠が登場します。  

ジェノスグループ株式会社
営業本部 新事業開発部長 井上 詩朗

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