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2015年3月30日月曜日

入社時の先輩たち

2015年3月30日
ジェノス・ワイン・マーチャント株式会社
代表取締役社長  島田 明彦


 かなり古い話となりますが、私が入社したころの忘れられない三人の先輩(上司の方も含みます)たちについてお話ししたいと思います。
 まず最初の方はとにかく厳しい方でした、新入社員の私たちに「頭は何のためについているんだ。帽子をかぶるためではないぞ。もっとよく考えろ!」、「得意先の身になって行動しろ。そんなんで見積もり通りのお金もらえるのか!」それは怖かったです。ただし厳しいだけあって、ご自身でも仕事のできる方でした。企画書などはそれは見事に仕上げられました。私たちはその方に認めてもらおうと悪戦苦闘したものです。考えてみますと怒られる方より怒る方がよほどカロリーを消費します。精神面でもきついと思います。もっとも怒り方の上手いか下手かはあるでしょう。ある飲食大手会社のT社長も叱り方が上手な方です。声を荒げることもしばしばですが、決してその人を憎んでいないのが分かる。その振る舞いや姿勢に対して強烈に怒るのである。根底には愛情が感じられるので、はたで見ていても不快な印象は全くないのである。叱られて成長するのです。

 二人目は入社後すぐに私たちに「これまでしっかり勉強してきたと思うが、これからも学ぶことはもっと必要だ、人生最後まで勉強の連続だよ」と言って自費で辞書をいただきました。当時はパソコンなどありませんでしたので、手書きの書類も多く誤字脱字には各自注意したものです。よく本をくれる方もいると思います。折りに触れこの言葉が思い出され、あらたまって学ぶことを心がけています。さしずめ昨今では電子辞書かもしれません。辞書を引くことはめったになくなったのではないでしょうか。話はそれますが辞書を引く良いところは、調べたい語句の前後を見れることや知識を増やす目的や言葉の成り立ちなどアトランダムにページをめくってできることです。たまには良いですよ。

 最後の三人目の先輩はとても面倒見の良い方で、仕事終わりなどよくお酒などおごってくれた方でした。「先輩、今度は私が出します」というと「自分も先輩からおごってもらった、その分今度は後輩にご馳走してやれ。自分も実際にそうされてきた。」と返されました。私は心してご馳走になりました。しかし良く考えますと、誰にでもご馳走したわけではなく、面倒を見たい後輩に対してだったと思います、実際に相性の問題はあるかもしれません。私もその先輩に好感を持っておりましたから。その後その教えを守ってか当時3年目くらいには後輩に返していたと思いますが、昨今はいつの間にかそんな時代ではなくなったのかもしれません。しかし先輩から恩を受け、それを後輩に伝えていく。大切なことだと思います。

 これから社会に出られる皆さま。皆さんをいろいろな先輩たちが待っています。
 叱られ上手に、学ぶ姿勢を失わずに、そして愛すべき後輩として社会に出てください。

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