この日は、まずシーザーサラダです。
といっても、手が込んでいません。
あれば美味しいクルトンもありません。(1袋100円位で売っていますから、試してみてください)
あるのは、キューピーのシーザーサラダドレッシング。
簡単ですが、非常に良く出来ています。
さすが厳しい市場で鍛えられている味と価格です。
メインは、鶏の唐揚です。
自宅で揚げ物はご承知の通り
大変です。
大変な割には、鶏肉が縮んでしまって、
小さくなっちゃったり、揚げ過ぎて色が濃くなってしまったり、食感がふんわりしなかったりと、結構出来栄えはドンマイなことが多いようです。(写真は、そのドンマイな出来上がりです)
スーパーで鶏肉を買うと、
安いものといえばブラジル産解凍ものでモモが100gで70円とか、高いものになると国産の産地表示付き銘柄地鶏なんかだと100gで170円とか平気でします。
これが、同じスーパーの惣菜コーナーで、鶏の唐揚(できたやつ)を買えば、普通で100gで170円程度です。特売になると150円を切ることもあります。
こうなると、粉や調味料代、油代、それに揚げる手間、廃油処理の手間などいろいろ考えると、買ってきたほうが割安で、味も安定感があります。
さて、鶏の唐揚もご飯のおかずに充分ですけど、やっぱり醤油系の一品も欲しくなります。
そこで、時ならぬ鰹のたたきが売っていたので、少しだけ買いました。
1人3切です。
余談ですが、大阪の商家では、昔から食事の漬物は1人3切(みきれ)と決っていたそうです。
それは、「商売には見切りが重要だ」ということを幼少のときから叩き込むためだそうです。
それはさておき、広重の東海道五十三次名所絵図の第一「日本橋」には、魚屋さんが大きな鰹をまるごと1匹担いで渡っている光景が描かれています。
ちなみに、五十三次の日本橋にはいくつか違う絵があります。
ここにご紹介しているバージョンは、鰹と剣菱が描かれています。
剣菱は、弊社がなんと特約店です。剣菱の特約を持っている酒販業者は大変珍しい存在です。
江戸時代から銘酒といえば剣菱として、このように描かれて来ました。
下る酒です。将軍様のお膝元へ出せる高品質な酒だけが、下(くだ)ったのです。
そうでない凡庸な酒は下ることができませんでした。「下らない」の語源です。
弊社が特約として剣菱酒造から弊社だけの手印として造っていただいているのが、
「黒松剣菱」です。
写真の左が、通常の黒松剣菱です。右が、弊社手印の特別な黒松剣菱です。
黒松というお目出度い意匠に、鳥類の王様である鷹が羽休めをしているラベルです。
黒、黄、白の配色も実に味わいがあります。
特定名称の表示は殊更しないのが、この蔵のよいところですが、製造部長さんに伺ったところ、山廃本醸造で、さらに古酒の配合比率が高いために、非常に濃醇な独特の濃い味わいです。
話が飛ぶので先に進みません。すいません。
剣菱と一緒に日本橋を渡っているのが、鰹です。
なぜ魚が登場するかといえば、日本橋の際(きわ)に魚河岸があったからです。
「魚市場=築地」というのは関東大震災以降の話で、それまでは魚市場は日本橋にあったのです。
魚の卸会社で本社が築地にあるのは新興勢力ということになります。
私の知り合いで、鮪卸の専門会社の経営者がおられますが、その人の本社は日本橋です。
江戸時代の創業以来、移転していないというので、広重の版画の時代から腰を据えている老舗ということです。
鰹といえば、私の子供のころにはすぐ鮮度が落ちました。
5月の初鰹の、要するにもっとも「旬」の時期にも、鮮度の良いものと悪いものとがあり、食べる前には予測できないのでリスキーな食べ物でした。
「今日のは生臭い」とか言って父が不機嫌になっていることがよくありました、
そこで、今日は夕食の〆に「鰹のたたき」です。
やっと話が元の軌道に戻りました。
見切れで三切れというところから、この列車が脱線を始めたのでした。
昔、テレビ全盛時に「底抜け脱線ゲーム」という番組がありました。
金原二郎という司会者が・・・
(やめましょう、脱線に次ぐ脱線で、いつまでたっても目的地へ着かなくなります)
強制的に戻ります。
現代では冷凍技術が進化したので、昔のように鮮度の問題は少なくなりました。
こんな真冬でも生の鰹が食べられます。
食べてみると、これは非常に鮮度が良く、大変美味しいです。
ご飯も進みます。
さてさて、やっとここで、本日のお酒の紹介です。
以上の諸料理、シーザーサラダ、鶏の唐揚、鰹のたたき、すべてに合せるワインとは??
はい、こちらです。
シャトー・シャペル・マラカン・ロゼです。
ボルドーで数々の賞を取った定評のある蔵元の辛口ロゼです。
特に、鰹のたたきとぴったりでした。
この組み合せは皆さん、参考になると思います。
ところが!!
そのあとに、口寂しくなったので、冷蔵庫をあさって、発見したのが、これ。
プロセスチーズ。
何度も言いますが、ナチュラルチーズが偉くて、プロセスチーズが劣るのではありません。
保存しやすく、食べやすく、何にでも良く合い、そして美味しいというのがプロセスチーズの特長です。
ビール、清酒、焼酎、ワイン、相手を選ばない、財布に優しい、本当に良い子です。
いや~、このボルドーロゼに最高に合いました。
ちょっとサーモンのフレーバーが入っているチーズとサーモンピンクのロゼ。
今日の色々な料理の中で、この組合せが一番でした。
充実した夕餉でした。ご馳走様。
日本ジェノス株式会社
代表取締役 上野 善久
0 件のコメント:
コメントを投稿