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2015年5月7日木曜日

腕に自信のある人の言葉

2015/5/7
日本ジェノス株式会社
代表取締役  上野 善久



あのイチロー選手が、ニューヨーク・ヤンキースからフロリダ・マーリンズへ移籍しました。その記者会見が、今年の1月末に日本で行われました。
 フロリダの球団がイチローに気を遣って日本で入団記者会見をするという異例の扱いだったわけですが、その席上、イチロー節が連発されていて非常に面白かったです。
 イチロー節は、通り一遍の質問にも通り一遍に返答せず、彼特有の言い回しやたとえ話を織り込んで、もってまわった言い方も含めて味のある言葉になります。(これができるのは、昔のサッカー日本代表監督だったオシムさんくらいです。)

 さて、その記者会見で、「ファンの皆さんへ一言お願いします」という、あの恒例の、ありきたりなメッセージの要請がありました。
 そうしたら、イチローは「新しいユニフォームになりますが、これからも応援よろしくお願いします」と言ったので、私はびっくりしました。
 「え? あのイチロー節のイチローでも、こんなありきたりなことを言うようになったのか。もう全盛期を過ぎたので、喋りのほうも冒険をしなくなったのか」と半ば残念な気持ちでその会見を見ていました。

 そうしたら、一呼吸あってから、「・・・ということは絶対に言いません」と続けているではないですか!
 そして、「これからも応援してくれるような自分であり続けるために、最高の準備を怠らないことをお約束します。」と言い切ったのです。
 いやー、これには再度びっくりしました。カッコ良すぎでしょ。

 これぞプロのアスリート! プロフェッショナルが普段持っているべき矜持といいますか、心構えのありようが、この一言に凝縮されています。
 何日も前から考えておく時間を与えられたとしても、こんなに強いメッセージを発することができる人は、いくらその道のプロだと言ってもそうはいません。

 この一言で、またしてもイチローってすごい、並の選手とは別物だという認識を新たにしました。

 「お客様に信頼を頂ける会社であり続けるために、最高の準備を怠らないことをお約束します」言える会社になりたい。また、「同僚に信頼を頂ける自分であり続けるために、最高の準備を怠らないことをお約束します」と断言できる自分でありたい。

 そう、思いました。と書きたいところですが、「そう思う」こと自体に、中途半端では許されない強い決意が必要なくらい、もの凄いエネルギーに満ちた言葉だと思います。
 あなたは、皆んなの前でそう公言できますか?

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