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2016年3月7日月曜日

就活戦線のスタートにあたり

先日、少し古い映画ですが、ニコールキッドマン主演の「白いカラス」というビデオを
娘がレンタルで借りてきたので、かみさんと観ました。かなり重い内容で、突然変異から生まれた白いカラスの運命を通し、黒人差別をテーマに人としての生き方を問う上質な映画でした。我娘がこの様な映画を観るまでに成長したかと思った次第です。そこで、少しいい加減な話だとは思いますが「白いカラス」で思い出した話を書きたいと思います。

昔、中国に「ぎょくす」と呼ばれる鳥飼いの名人がおられたそうです。
変った名前ですが、「ぎょく」は玉で「す」は須と書くそうです。

中国国内は無論のこと、遠くは船で西欧やアジア諸国を渡り歩き、珍しい鳥を集めては
持ち帰り、その噂は中国国内でも有名だったそうです。
ある時、皇帝が、その噂を聞きつけ、玉須の店を訪ねられました。
皇帝は様々な鳥類をご覧なった後、玉須に尋ねられました。「なるほど、噂に違わぬ見事なものじゃ。処で、御主人は白いカラスという鳥を見たことがあるか?」と問われました玉須はとっさに、知らないにもかかわらず「勿論御座います」と答えてしまいました。

皇帝はうなずき、「すぐに見たいがどこにおるか」と言われたそうです。
玉須(ぎょくす)は「今はお見せ出来ませんが、すぐにも必ず献上致します」と答え、その場を取り繕いました。

皇帝は満足して帰られましたが、困ったのは玉須です。白いカラスなど見たことも無く、居るわけが有りません。やがて皇帝から催促があり、白いカラスは手に入ったかと
聞いて参ります。

一度はカラスに石膏を塗り、白くしたものの、すぐに剥げ落ちてしまい元の黒いカラス
に戻ってしまいます。

嘘をついたことを後悔するも、罰せられることを考えると、食欲は無くなり、自慢だった鳥屋はすっかりみすぼらしく変り果ててしまいました。
そんなある日のこと、突然皇帝が現れ、やつれた玉須にこう告げます。

「玉須よ、白いカラスが居るか否か、など問題では無いのだ。無理をするから苦しくなる。自分の仕事を正直に、一生懸命がんばっておればこそ皆がそなたを尊敬するものだ。
現に以前は鳥屋として立派にやって居たではないか。だが、今はどうだ。すっかり鳥の数も減り、そなたも以前の様に自信に満ち溢れていないではないか。」と諭されました。

玉須は涙を流し、皇帝に気に入られたい一心で嘘をついたことを告白し、深く反省し、
それからはホラを吹かず、ひたすらに仕事に励んだそうです。

このことから一般にいいかげんなことを言うことを、玉須(ぎょくす)を訓読みして
「たます」に変り「だます」になったそうです。(眉つばの匂いプンプンですが。)
(三井銀行言葉辞典)

皆さんは今、就職活動の真っ最中だと思います。しっかり足元をみて無理をしない職選びを心がけて下さい。人生は、長いからといって直ぐに転職を繰り返すより、自分にあった職探しを心がけ、毎日が充実した社会生活を行えるよう頑張って下さい。
企業は皆さんの良いところを一生懸命探り、欠点を見つける選考などしておる会社などありません。 

                      株式会社 宇佐見商店
                        代表代表取締役社長 宇佐見 透

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