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2015年1月21日水曜日

総務実務と三人の師匠

 いまは、「監査役」という一般的には物珍しい職務を担当しています。
 サラリーマンで38年、株主総会の運営全般は25回、社葬は2回など、とにかく経験は豊富です。初期には株主総会前日の深夜に「ガバッ」と起きて資料を確認することが多々ありました。しかし経験はあるものの馬齢を重ねたのではないかと感じています。というのは、重要で懸案の業務を達成すると、自分に旅行やほしいものなどのご褒美を与え、その成果を忘れようと心掛けているからです。「謙虚さ」を無くすと、本人の強いと思っている分野で失敗すると思い、そのつど新たに取り組んでいます。

 想いおこすと、20代は、指示されるままに、予算、決算、広報、調査など本当に広範囲に業務をこなしました。新しいことばかりで、充実感がありました。30代はとにかく総務として働きました。そこでは新人研修は無く、仕事も自分で考えて行っていました。40代には主に経営と法律を学びました。勤務先ではアウトプットばかりで、インプットがゼロに近かったので、その反動かもしれません。50代には、好きな分野を遊ぶ感覚で知識を深化(?)させました。一番楽しい時期でした。
  
 社会人としての経験は、ほとんど「総務」の分野でした。総務には、庶務事務、文書事務、株式事務、法務事務、会議運営、人事事務、給与計算など広い分野があります。私は、そのほか、増減資、社債発行、新株予約権発行、特別清算(会社を清算し税務面を固めること)、証取開示(証券取引所で会社情報を発信すること)、リストラ、合併、会社分割、などを行いました。これは、本人が経験することで自己を高めるため、あいつは暇そうで悩みもなさそうだ、総務だから、という三つの原因が考えられますが、どれだと思われますか。実は最後の総務だから、という理由です。総務は実に守備範囲が広く、かつ限度やゴールも決まっていない職務です。

 これまでの長い社会人勤務で、怖い上司は三人でした。その方たちの共通点は、業務分野での広く深い知識を持ち、仕事に厳しく、妥協しないという点です。不真面目だったときには、誠実に怒られます。理詰めで細部にも拘るといった特徴もあります。三人とも分野を極めておられ、他分野でも見識を活かされていました。

 この三人に学んだことは、原因と結果の分析、連鎖反応の推定、具体的に・計数で明示、考え抜くこと、仮説の立案、などでした。この三人には人生の「師匠」として本当に感謝しています。就活されている皆さんは、あらゆる業務に興味をもってみませんか。
                                                            日本ジェノス株式会社
監査役 吉田温

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