皆が、それぞれ我慢することを共有するから、互いの思いやりを実感出来るのではと思われます。先のオリンピック招致コンペの際、外国の人々に伝えられた“おもてなし”の心です。
外国人の多くは、子供の頃から個人主義という環境の中で育てられ、自らを犠牲にしてまで他の人を思いやるという精神構造を持ちません。しかし我々日本人は子供の頃から両親より、或いは学校教育の中で「道徳」という名のもとに、他人を思いやる心を身に付けます。若き皆さんはご両親の愛情の下、健康な体と、どんな時にも相手を気遣う優しさを持つ様に教えられたはずです。
これからのリーダーに必要なものは、強い指導力と共に相手を気遣う“おもいやり”だと考えます。
私達の会社は「人を泣かせまで自分の幸せを築くな」という営業姿勢のもと活動しています。例え今は苦い提案であってもジェノスの姿勢は必ず相手を思ってのことだから、と感じて貰う、そんな信頼感を持って頂くことが大切だと思います。
皆さんは伝説の経営者と呼ばれるハーバード・テイラーという人をご存知でしょうか。 彼は倒産しかかったアルミ食器会社を10年で一流企業に再建したことで有名ですが、その時使ったのが公平の原則です。
ある日彼は印刷会社と契約をしました。ところがその印刷会社の社員は自分のミスからその契約では自社が大きな損失をすることに気付きました。悩んだ末、彼は意を決し、再度テイラーを訪ね、契約のやり直しを申し入れました。テイラーは話を聞き終えると「なるほど、それは気の毒だ。しかし契約した以上、自分一人では決められないから皆に相談してみよう」と言って会社の取締役会にかけました。
会議では「我社は何の条件も付けずに印刷会社と納得のうえで契約をしたのだから契約は当然遵守して貰うべきだ」という意見が大半を占めたそうです。
テイラーはおもむろに立ち上がり、「君達がもし印刷会社の社員の立場だったらどうするかね?計算ミスは明らかであり今後、相手会社は二度と弊社との取引には応じないだろう。」と役員の皆を説得し結局印刷会社が損をしない程度の契約に応じます。
やがてこのことが口込みで業界に伝わり『ハーバード・テイラーの会社と取引しておれば安心』との噂が広がり信用が確立されました。これは自分の会社が儲かる反面、相手を泣かせてはならないと言う考えに基づいた『利益の適正分配の原則』と呼ばれるもので弊社の事業理念である「多様な飲食文化を伝える事業オーナーと共に発展し人々の心の豊かさを高める」につながります。
利益優先の厳しい経済状況の中、「共に栄える」というジェノスグループの企業理念が輝く時がくると信じます。
株式会社 宇佐見商店
代表取締役 宇佐見 透
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