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2015年7月29日水曜日

海外旅行の勧め

㈱JTB総合研究所における「2014年の海外旅行実態調査」によると積極的に海外旅行へ行きたくないと(否定的に)回答した人は33%、2005年は27.9%だったから約5%も増加したことになる。海外旅行は景気や為替に大きく影響を受けることは知られるが、若年層の場合、親との同居率の上昇、非正規雇用の拡大、就職率の低下とは正の相関があり、日本の現状を色濃く投影している。※

雑誌に元オーストラリア外相 ギャレス・エヴァンス氏の寄稿があったので紹介したい。彼の人生で最初に選んだ異国の地は日本、当時1960年半ばだったという。彼は広島で商業施設の御影石に一瞬にして焼付いた人の痕跡(影)を見て核兵器廃絶のため自ら実行することを誓ったと記している。彼はその後、オーストラリア外相となり平和活動を推進し、現在は核不拡散・核軍縮に関する国際委員会の協同議長を務めている。

日本国内ではあり得ない体験を多く得られる点で是非、海外旅行に行ってもらいたいと思う。海外旅行の阻害要因1位は高額費用であるらしいが、沖縄や北海道の旅費で行ける海外旅行プランもあると聞く。私は僅か数日程度の海外旅行経験しかないが、それでもギリシャのニュースを見ると当時の青い空と人懐っこい笑顔が浮かんで少し悲しくなる時がある。また、似たような遺跡に直接触れているから破壊行為に腹が立つ。この経験は貴重だ。

海外旅行は、危険・高額・手続き面倒・・・確かにそうかも知れない。しかし、国が違えばGDPも違う、政策も違う、治安も習慣も生活レベルも何もかもが決定的に違う。だから数日でも得られる経験がそこにある。もし最初に広島の地を踏んでいなければ、ギャレス・エヴァンス氏はオーストラリア外相になっていなかったかもしれないと思ったのは私だけではないだろう。


※財団法人 日本交通公社の2009年レポートによる。 

日本ジェノス株式会社
経理部長  荘司享利

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