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2016年4月5日火曜日

シリーズ「なぜ大卒を採用するのか?」(3)




<ここまでのおさらい>

シリーズ「なぜ大卒を採用するのか?」(1)
シリーズ「なぜ大卒を採用するのか?」(2)




3.大学入試突破は長期にわたるPDCAの成功証明だ


前回は、企業の求める人材はPDCAのできる人だと書きました。
そして、PDCAのできる人であるためには、
①最低限の社会常識があり、
②規則正しい生活が身についており、
③勤勉であり、
④ものごとに計画的に取り組む癖がついており、
⑤定めた目的に向って行動する意識があり、
⑥結果への執着心を持っている
ということが求められると申しました。

毎日、決った時刻に起床して学校に行く。毎日です。気の向いたときだけでは規則正しいといえません。
勤勉とは、まじめに勉強したり労働したりすることが苦にならない性格です。
計画を立て、その通り実行しなければ大学入試には合格できませんから、厳しい入試を突破した人には
計画性や軌道修正力があると見てよいでしょう。目的意識や結果への執着心も同様です。
最初から計画通りにことは運びませんから、軌道修正が必要です。
長期的なプロジェクトになると、何度も何度も「軌道修正→計画の建て直し→再実行」を繰り返すことになります。

これこそ、PDCAです。
実際の企業でも、トップマネジメントから現場の最前線に至るまで、PDCAの繰り返しです。
これを速く、的確に回転させることが成功の秘訣です。

学業も事業もおなじメカニズムなのです。
大学生は、受験期におけるPDCAサイクルを回して成功したということで、企業が求めているのです。

こうしてみると、日本の受験戦争といわれた厳しい大学入試は、企業の求める人物像のリトマス試験紙の役割を果してきたといえます。



4.推薦、AO入試、高卒生はどう判断するか

だとすると、大学生でありながら、大学入試を突破していない人はどうなるのでしょうか?

上述の背景からすると、大学生は大学生だから企業が欲しがるのではなく、大学入試という長期プロジェクトを自ら計画して成功させたことに対して評価されているわけですから、推薦やAOで大学に入った学生さんはこの要件に該当しないことになりかねません。

推薦入学については、高校時代に推薦されるに値する高校生であったわけですから、高校生としてのPDCAが当然にできていたと推定されます。
学業なのかスポーツなのか、いづれにしてもその高校で上位に位置した実績があったわけであり、そのためには上記の①から⑥の各項目をクリアしていたと推定されるわけです。
AOは正直言って当方は詳しくその仕組みを研究していませんから、AOで入った大学生がPDCAを身につけているのかどうか、推定する論理を見出せていません。

さて、では高卒生は不利なのか?という疑問が湧いてきます。

大卒生には、大学入試突破者として当然にPDCAの萌芽の持ち主であるという推定をします。
ですから、入社後もそれを期待します。

高卒生には、実は別の期待があるのです。
それは、主として前述の①~③の項目に加えて、「素直」「正直」「吸収力」という人間性です。

18歳という人格形成期の少年少女には、PDCAの萌芽というよりも立派な社会人として今後成長していく素地があるかどうか、という部分が主要な観点になります。

ということは、そのような就活生には大卒生よりも有利になります。よって、大卒が有利で高卒が不利ということは(少なくとも弊社においては)まったくありません。

弊社の社員の例で言えば、高卒でもPDCAが上手く回せる者もいるし、大卒でも全然できていない者も残念ながらいるのが実態です。

日本ジェノス株式会社
代表取締役  上野 善久

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